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2024/10/24マンションに修繕は必要?大規模修繕とはどんなことをするのかその流れと注意点をチェック!
マンションは買って終わりではなく、その後定期的に修繕を行わなければいけないことを知っていますか?
マンションは新築で購入しても、経年により劣化部分が出てくるものです。
建物を長く健全な状態を維持するために、およそ10~15年に一度のペースで大規模修繕工事を行うことが推奨されています。
適切なメンテナンスを行うことで、外観の美しさを維持することはもちろん、例えば外壁のひび割れに起因するタイルの落下など、事故の発生を防ぎ安全面を補強することができるのです。
こちらの記事では、大規模修繕工事とはいったいどんなことをするのか、本当に必要なことなのか、その流れや注意点についてご紹介します。
マンションを「修繕」するか「改修」するか
マンションを長期間快適に使用できるために定期的に行わなければいけないこととして、マンションの「修繕」と「改修」があげられます。
この二つはどう違うのでしょうか?
マンションの「修繕」とは建物の劣化や不具合の発生に対して修理や取り換えを行うことで、建物の建設当時の水準まで回復させることを言います。
反対にマンションの「改修」とは、社会や時代の変化に合わせてマンションの性能を向上させ、高経年マンションの質や資産価値を持続させるための改善を目指すものを言います。
複数の世帯が入居しているマンションは、都度修繕ではなく全体を定期的に大規模修繕を行うほうが手間やコストがかからず合理的です。
その時の状況に応じて適切な修繕や改修を行い、マンションの快適さと機能面、資産価値を維持していくことが必要なのです。
>>国土交通省「改修によるマンションの再生方法に関するマニュアル」
大規模修繕とはなに?どんなことをするの?
大規模修繕とは、建築基準法第2条第14号において「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」と定義されています。
主要構造部とは壁・柱・床・梁・屋根・階段のことで、マンションにおいては外壁・バルコニー・屋上・屋外の給排水管といった共用部分のことを指します。
大規模修繕工事の期間はおおよそ以下の通りです。
・50戸以下の小規模マンション…3~4ヶ月
・50戸以上100戸以下の中規模マンション…4~6ヶ月
・100戸以上の大規模マンション…半年~1年
また、大規模修繕工事では建物を足場で囲い、作業員や車両が多く出入りをします。
そのためベランダに洗濯ものを干すことができなかったり、バルコニーの使用制限をしなければならないことも多くあります。
事前に入居者の理解を得ることや、工事にかかわる施工業者との事前の相談などで日常生活への配慮を行うことが大切です。
大規模修繕工事を行う際の大まかな流れ
大規模修繕工事はまずマンションの管理組合で建物調査を行います。
現状を確認したら実際の工事内容と予算を話し合います。
最後に施工会社の決定と居住者への説明会を経て、工事に着手します。
実際の工事は大きく以下の流れで行われます。
・ステップ① 仮設工事(足場組み・資材置き場の確保など)
・ステップ② 下地補修工事(外壁のひび割れを埋めるなど)
・ステップ③ タイル補修工事(ひび割れたタイルの張替えなど)
・ステップ④ シーリング工事(シーリングが劣化している部分の撤去・打ち換え)
・ステップ⑤ 塗装工事(外壁の塗り替え・門や手すり等の金属部の錆落とし・塗り替え)
・ステップ⑥ 防水工事(屋上、バルコニーなどの防水加工のやり直し・補強)
・ステップ⑦ その他(エントランスの改修・扉などの交換など)
大規模修繕工事は何度も行う?
大規模修繕工事は12年程度の周期で行われるのが一般的です。
1回目は外壁を中心に劣化した部分の修繕を行いますが、2回目のころには玄関ドアやアルミサッシなど建物の内部の金属的な部分の劣化を総合的に判断し修繕工事を行うことが多いです。
3回目となると建物全体を修繕しなければならない他、その時の法律や社会の流れに合わせた設備の変更・耐震補強工事・省エネ化なども合わせて行うことになるでしょう。
こまめな修繕を行うことで最終的な改修のコストダウンにつながることも多いので「まだ大丈夫かな」と考えず、定期的な建物診断と修繕を心がけましょう。
大規模修繕工事の費用はいくらかかる?
大規模修繕工事の費用は工事内容や建物の規模によって変わります。
1回目の大規模修繕工事の平均では、一戸あたり50万から75万円が全体の9.5%、100万円までが24.7%、125万円までが27.0%の費用負担があるという結果が出ています。
マンション全体の金額を中央値で見てみると7600万~8700万円程度が相場となります。
2回目、3回目となると工事の対象範囲が広がっていくため費用はこれよりも高額になると考えておくのが良いでしょう。
大規模修繕工事を行う際に注意する点は?
マンションの大規模修繕工事を行う際には以下のようなトラブルが多く見受けられます。
・意見がまとまらない
・工事開始後に修繕箇所が増える
・仕上がりが予想と違っていた
詳しく解説いたします。
意見がまとまらない
大規模修繕工事の際はマンションの入居者と管理組合のコミュニケーションが大切です。
施工業者や工事項目など、工事を始める前段階からの説明会や周知を徹底し、入居者の皆様にもしっかりとご理解いただけるよう公平性や透明性を保ちましょう。
また、費用面の工面や合意を得られにくいと感じる場合は、外部コンサルタントを招くなどの第三者意見を取り入れることも有効です。
工事開始後に修繕箇所が増える
外壁のひび割れやタイルの破損など、実際に工事をするための足場を建ててから発見される修繕箇所も多くあります。
思いがけない不具合や故障が多くあるとその分追加工事が必要になったり、最悪の場合工事がストップすることも考えられます。
こうした事態を避けるためには「専門家による建物診断」を事前にしっかりとしておくことが大切です。
仕上がりが予想と違っていた
塗り替えのための塗料や、張り替えのタイルなど、事前に材料のサンプルが手に入る場合はぜひ実際に見て確認を行ってください。
カタログで見た場合、蛍光灯の下で見た場合、日光の下や日陰で見た場合では材料の色や質感が全く違って見えるため、イメージのずれから仕上がりに納得がいかないというトラブルにつながることもあります。
工事が始まる前に同じ材料や環境で「施工試験」を行ってくれる業者もありますので、心配な場合はぜひご相談ください。
大規模修繕工事には補助金や助成金がある?
マンションの大規模修繕工事にはしっかりとした予算が必要です。
また、施工内容によってはさらに費用がかさむ可能性もあります。
しかし、築年数や省エネ化などの一定の条件を満たすことで、国や自治体から補助金や助成金を受け取ることができます。
補助金や助成金の内容は自治体によって異なり、特に補助金は期限や枠数が決まっていることもあるため、まずはマンションのある自治体のホームページなどで調べてみましょう。
まとめ
今回はマンションにおける大規模修繕工事について、その内容や流れ、予算や注意点について紹介しました。
鉄筋コンクリートのマンションは定期的に適切なメンテナンスを行うことで100年以上も使用に耐えうると言われています。
故障個所が出るたびにそこだけを修繕するよりも、故障個所がトラブルになる前に全体の大規模修繕工事を行うことが大切です。
マンションで暮らす入居者の皆様の安全で都会的な暮らしを守るためにも、しっかりとした予算と話し合いを経て大規模修繕工事を行いましょう。
大規模修繕工事を検討中でしたら、ぜひエーコー総建にもご相談ください。
どんな小さなお悩みや疑問点にも専門家がしっかりと寄り添い、お客様のマンションにとって一番良い未来へと繋げていきます。