COLUMNコラム

2025/03/01マンションの大規模修繕工事の周期は何年ごと?費用相場や工事内容も解説


鉄筋とコンクリートで建てられたマンション。一見すると建ててしまえば一生そのままそこにいてくれるような頑丈さがありますよね。

でも実は、直射日光や雨風にさらされ、日々少しずつ傷んでしまっています。

避けられない経年劣化を少しでも緩やかにし、長くマンションの価値を維持するためには定期的な大規模修繕が必要です。

この記事ではマンションの大規模修繕について、その周期や必要な理由、費用相場や流れなどについて解説します。

合わせて、東京のマンションの大規模修繕を手掛けて50年の私どもエーコー総建に関してもご紹介しています!

マンションのオーナーで大規模修繕をお考えの方はぜひ最後までご覧くださいね。

マンションの大規模修繕の周期は何年ごと?

マンションの大規模修繕を行う周期についての法律は定められていませんが、国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」によれば12年周期で行うことが推奨されています。

これは、外壁の塗装や建物内の設備などの耐用年数に合わせられており、重大な破損や欠陥が出る前の年数で修繕を行うことでマンションを長く保つことができるからです。

とはいえ、近年では塗装や設備に使われる材料の進化や工事技術の向上により、15年~18年で修繕をするパターンもあります。

「12年経ったから大規模修繕をしなくてはならない」ではなく、定期的に建物調査をして経年劣化の状況や故障がないかを確認し、管理組合との相談のうえで大規模修繕を実施することが大切です。

 

マンションの大規模修繕工事が必要な理由

そもそも大規模修繕はなぜ必要なのでしょうか。

「突然マンション内の給排水設備が壊れ、すべての水道が止まってしまった」などの大きなトラブルにならないようにするためももちろんですが、他にも以下のような理由が挙げられます。

・マンションの資産価値の維持
・マンション機能の維持・向上
・入居者の生活満足度の維持

詳しく解説します。

マンションの資産価値の維持

大規模修繕は、単に建物の劣化を補修し、壊れているところを修復させるだけではありません。

外壁の塗り替えなど美観をよくしたり、オートロックの採用や各所のバリアフリー化をしたりするなど、大規模修繕のタイミングで新しい設備を取り入れることで、単なる修繕だけではなく時代に合わせたニーズを取り入れることができます。

建物をよりよく改良することで築年数が進んでも資産価値を維持することができるだけではなく、その魅力を大きくアップグレードできるでしょう。

こうした修繕が計画的に実施されているマンションは売却時や融資審査で有利になる傾向もあり、この先マンションオーナーとしての権利を売りたいと考えている方にも定期的な大規模修繕はおすすめです。

マンション機能の維持・向上

大規模修繕を行うことでマンションの機能の維持や向上が見込めます。

日々風雨にさらされている外壁は塗装もはがれ、コンクリート部分がもろくなることはもちろん、場合によってはしみこんだ雨水が骨の部分である鉄筋に到達し、錆が発生しているかもしれません。

エレベーターなどの内部設備は日々入居者が利用していることで摩耗し、ある日突然全く動かなくなるということがあるかもしれません。

こうしたことが起こる前に定期的な建物調査とその時必要な大規模修繕を行うことで、マンションの機能を維持し、建物を長持ちさせることができます。

入居者の生活満足度の維持

大規模修繕で建物の機能を回復・改良することで入居者の生活満足度を高めることができます。

「ここが壊れているな」「このマンション古くなってきたな」こう感じたときに長く修繕が行われないと管理体制に不安を感じて住み替えを検討するという話も聞きます。

大規模修繕で居住環境を改善し、快適で安全な生活空間を提供することはマンションオーナーとしてとても重要なことだといえるでしょう。

また、修繕に伴い最新設備を設置したり人気のデザインの導入を行うことで、今住んでいる入居者満足度の向上だけでなく新しく住みたいと考える顧客が生まれ、空室率低下への貢献にもつながりやすくなります。

マンションの大規模修繕工事の周期延長は可能?

先に結論を述べますと、「マンションの大規模修繕の周期の延長は可能」です。

先の章でも述べましたが、使われる塗料などの材料の進化や工事技術の向上により、従来は12年周期が一般的だった大規模修繕が近年では15年~18年が主流になりつつあります。

周期を延長することで、工事にかかる費用や工数を減らせるので、長期的に大きな経費削減となるでしょう。

しかし、建物の素材や立地条件などにより、同じ年に建てられたマンションでもその劣化具合は変わってきます。

まずはプロに相談をして、自分が所有するマンションにはどの程度の修繕が必要か確認してみてください。

マンションの大規模修繕工事の費用相場

大規模修繕工事にかかる費用相場はいくらでしょうか。

国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、50戸以下の小規模マンションでは総額3,240~4,000万円、100戸以上の大規模マンションでは1億円を超えると言われています。

戸別でさらに見てみると、8~16戸程度の小規模マンションでは240~700万円、16戸以上の中規模マンションでは600~875万円程度が相場だといえるでしょう。

半数以上のマンションでは1戸当たりに75万円以上の費用負担がかかっており、大規模修繕を行う前にはしっかりと管理組合との協議を重ねる、事前の積み立てをしっかりしておくということの重要性がうかがえます。

 

マンションの大規模修繕工事の流れと工事内容

大規模修繕と一言で表しますが、実際にはどのような工程があり、どのような感じで行われるのかわからないということはありませんでしょうか。

・大規模修繕の流れ
・大規模修繕の工事内容

詳しく解説します。

大規模修繕の流れ

大規模修繕はまずマンションの管理組合での話し合いから始まります。

大規模修繕が必要かどうか、そのほかに優先すべき管理上の問題はないかを協議した後、建物調査を行い、必要な工事内容と予算の配分を行います。

この後、実際に工事を請け負う業者の選定・入居者に向けての工事説明会など行い、実際の工事が行われます。

特にマンションにおいて大規模修繕工事はオーナーの一存で決められるものではなく、工事中の騒音や足場設置による日当たりの制限に対する理解や、場合によっては一時的な仮住まいを行わなければいけないなど、管理組合や入居者との対話と協力が必要です。

大規模修繕の工事内容

大規模修繕の工事内容は大きく分けて7つのステップに分けられます。

①仮設工事

まず行われるのが仮設工事です。

外壁や高いところの修繕を行う前に足場を組み、塗料や粉塵が周囲に舞わないようメッシュシートで覆います。

その他、工事期間中の現場事務所や資材置き場も設置します。

まだ直接の修繕は始まっていませんが、工事を安全に進めるための設備であり、これらを設置することで工事の作業スピードや品質が上がる大切なステップです。

②下地補修工事

仮設工事が終わったら、まずは躯体部分と言われる壁や天井などのひび割れを補修します。

仕上げの塗装をどんなにきれいに行っても、その下にひび割れや剝落などがあるとすぐに剥げてしまったり、そもそも塗装を行うことができなくなったりするので、事前に下地をしっかりと補修しておくことが大切です。

③タイル補修工事

外壁の一部やエントランスなどにタイルを設置しているマンションも多いでしょう。

タイルは経年劣化でひび割れるだけでなく、下地からはがれ浮いてくることもあります。

見た目が良くないだけではなく、入居者がけがをする原因になったり、ひび割れから雨水が入って劣化を早めたりしますので、タイルの剥がれがぐらつきが気になったら早めの修繕が必要です。

④シーリング工事

シーリングとは、外壁のつなぎ目部分や窓枠、サッシなどのつなぎ目に使用されている防水用のゴム状の素材のことです。

柔らかく弾性がありますが、経年劣化により硬くなり、痩せてくることでひび割れをおこします。

ほんのわずかなひび割れに見えてもそこから雨漏りを起こしたり、侵入した雨水がほかの部分を損傷させたり、気密性を下げてしまいエアコン代が余計にかかる原因になったりします。

シーリングは使用されている場所も多く、外側から工事を行わなくてはいけないため、足場が組まれている大規模修繕工事の際にまとめてやっておくことで経費削減になります。

⑤塗装工事(外壁)

外壁塗装は単に美観を取り戻すだけでなく、雨風や汚れからマンションを守る盾となる重要な役目があります。

そのため、足場を組んでいる大規模修繕工事の際に一気に行うことをお勧めします。

まずは現場調査で下地と塗料の付着力を確認し、問題なければ塗り重ねを、劣化している場合は塗膜をすべて剝がしてから新しく塗りなおすことになります。

⑥塗装工事(鉄部)

外壁の塗装が終わったら、扉や階段部分、手すりなどの鉄部の塗装を行います。

鉄部は経年劣化で剝がれた塗装が見た目の悪さだけでなくけがの原因になったり、錆が発生して耐久性にも問題を起こしたりします。

まず錆が発生している個所をサンドペーパーやブラシなどでしっかりと丁寧に落とし、そのあと塗装を重ねていきます。

⑦防水工事

最後に行うのが防水工事です。

防水工事には「塗膜防水」「シート防水」等の種類があり、工事を行う場所や状態に合わせて工法を選びます。

防水工事を行う場所は屋上やバルコニー・廊下・階段などです。

防水工事を行う目安は防水層のひび割れ・ふくれ・破れ・しわなどの症状が発生したタイミングが最適です。

また、状況に応じてエントランスのオートロックの設置や共有部分のバリアフリー化、扉やサッシの交換、給排水管の修繕や取り換えなどのその他不随工事を行うこともあります。

これらは単に修繕というだけではなく、マンション自体の資産価値を上げたり、住民の満足度を上げることができるので、管理組合とよくご相談の上取り入れると良いでしょう。

もし「大規模修繕工事をどこまで行わなければいけないかわからない…」となった時にはプロに相談するのが一番です!

私どもエーコー総建はマンションの修繕工事に関して50年の実績があります。

東京で大規模修繕にお悩みのマンションオーナー様がいらっしゃいましたら是非一度ご相談ください。

 

マンション大規模修繕の注意点

マンションの大規模修繕は利便性や資産価値を上げる重要なものですが、住民の協力が必要であり、費用が掛かるものであるため行う前にしっかりと対策しておくことが大切です。

・長期修繕計画は定期的に見直す
・住居者へ事前に知らせておく
・近隣住民にもお知らせやご挨拶など配慮する

詳しく解説します。

長期修繕計画は定期的に見直す

長期修繕計画はマンション建設当初に決められていることがほとんどだと思います。

ですが、実際に運用していると劣化速度が予定より早かったり、設備部分に問題が起きたりと建設当初の計画とは必ずズレてきます。

修繕費用の変化や住民の状況などに合わせて長期修繕計画は定期的に見直すことが大切です。

住居者へ事前に知らせておく

居住者へは事前告知も大切なポイントです。

修繕内容によっては居住者宅への入室が必要な作業もあるため、事前告知を忘れるなどのミスはトラブルのもとです。

エントランスの掲示板に告知する、各住居のメールボックスに工事のスケジュール表をポスティングするなど文書で手元に残る告知を行いましょう。

近隣住民にもお知らせやご挨拶など配慮する

工事中は騒音やにおいの発生、また近隣住民の住居の敷地内に立ち入る可能性もあるため、近隣住民にもお知らせやご挨拶を忘れずに行いましょう。

工事車両が大きすぎてマンションの敷地内に入らないなど、工事中の近隣へのご迷惑は事前の了解がなければ大きなトラブルの原因になります。

個別のご挨拶はもちろん、何かあった時の連絡先をお伝えしておくのも良いでしょう。

 

マンションの大規模修繕工事のご相談はエーコー総建株式会社へ

マンションの大規模修繕は費用負担も大きく時間のかかるものではありますが、適切なタイミングに行うことでマンションの資産価値を上げ、耐用年数を長くすることができます。

居住者の皆様の快適で安全な生活のためにも、定期的な大規模修繕は必要です。

大規模修繕をお考えの際には、ぜひ私どもエーコー総建株式会社にご相談ください。

マンション・ビルの修繕工事のみをやり続けて50年、経験と実績に裏付けされた確かな技術でオーナー様のお悩みを解決します。

お客様のご予算やご要望に合わせて契約からお引き渡しまで自社一括で行いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

 



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